心がのぞける呪いのゴミ箱 その24

画像が表示されませんでした 創作のゴミ箱

 

自然をとるか、エンタメを取るか

 

私は常に迷走しながら小説書いてるのですが、今回の話はその行き当たりばったりの悪いところが如実に出た気がします

 

お化け屋敷パート入れたくてお話作ってどうにかねじ込めないか試行錯誤したのに、ボツった
というか、もしどうしても入れないといけないとしたら、前回に入れるべきじゃった。不覚

 

キャラクターで考えると、ツキノキさんは無理にお化け屋敷に連れていくようなマネはしない

 

けど、エンタメ的にはお化け屋敷に突っ込んだ方が面白い

 

学生時代、文章の流れを重視した作文が評価されたとかいう成功体験から、書きたい文章よりも”前後のつながり”を優先してしまっているきらいがあります

 

けど書き出しでいつも頭抱えるし、盛り上がりに欠けるし、前の文章に引っ張られて息苦しい思いをしてしまう

 

もっと小説書いてて楽しかった頃のような、自由で、伸び伸びしてて、書いてて楽しくなるようなダンスを踊れていなかった

 

無論、遅筆の原因は他にも眠っていると思うが、これからは”前後のつながり”を弱くして楽しさを重視していこうかなって

 

最近将棋でボコられてるのもそうですけど、やっぱワシってまだまだ未熟なんやなって

 

心機一転!初心に返って、四間飛車から出直してきます

 

・・・・それで果たしていい方向に向かうかどうかは、また別問題なんだけどね?

 

鏡理論補足

 

この作品の骨子になる部分①ですね

 

連載?当初からこの骨格をもとにストーリー展開やキャラクター造形を構想しました

 

もちろんこの骨格は借り物

 

人間の性質は大きく二つに分類する「社会維持型」と「境地開拓型」が元ネタ

 

このゴミ箱シリーズのどこかで紹介した『内向型の生き方戦略』からの引用・独自解釈・発展版となってます

 

今回の”人間は鏡”理論を立証するため、人間を飛び越え、生物と無生物の境目まで遡る羽目になりました

 

というか『内向型の生き方戦略』に、海底熱水噴出孔(ブラックスモーカー)から原始生物が広域散布する流れの仮説が書かれていたので。そこら辺掘れば答えが見つかるんじゃね?と事前に目星はつけてたからこじつけ自体はたいしたことなかったんじゃ

 

んで、高分子やらタンパク質の塊が、いかにして生物への一歩を踏み出したんじゃろうな?と煮詰めていった結果。”カードリーダー”じゃね?って紐付いた

 

他に候補に上がっていたのが、”遺伝子”とか”繁殖能力”とか”代謝”とか?

 

けど、最初の生物が利用していたとかいう始まりのRNA(リボ核酸)の記述を見て、全部候補から外した

 

このRNAとかいうよーわからんやつ。どうやら自己複製能力・遺伝子情報・タンパク質合成の触媒にもなっちゃうとか言うチョースゴい組織

 

でも待って?そのゲキヤバなRNA様はどうやって誕生なされ遊ばされたの?

 

RNAがスーパーサイヤ人級の超スゴ万能組織へどうして至れたの?自己複製とか遺伝子情報を保存するには何が必要か?に着目します

 

まず記録媒体(RNA)は確定でしょ?んで、記録するための情報。次に、情報を読み込むための装置。最後に情報元になる本体。てな具合で、生物が一番最初に獲得したのって、もしかして”情報を読み込むための装置”カードリーダー”じゃね?って仮説が生まれたわけです

 

最終的に、”カードリーダー”→”感覚器”→”鏡”へと。内側だけでなく外側からも情報を取得出来るよう変化して、今の多様な生態に繋がたんじゃないかな〜って

 

・・・・念の為断っておきますけど、明確な確証があるわけではありません

 

でも作中の出来事は綺麗に説明できるようにしていくつもりなので、今後ともこの解釈を数珠つなぎで並べ、物語を進めていきたいと思います

 

アリブレで○されまくってFoo~!↑

 

スマホ版タルコフこと、アリーナブレイクアウト

 

youtubeの動画の再生回数的に、そこまで盛り上がってない感じ?

 

ま、中国企業だかんね。荒野行動とかそっち系?のパチモンイメージがあるのかな

 

本家のタルコフよりもとっつきやすい点が売り

 

そのせいで”リアルさに欠ける!”って意見があるようだけど、パソコン大画面でキーボードマウス操作と、スマホタブレット一画面に全て収めないといけないのを比較しちゃダメでしょ

 

ヤッてヤられてヤられてヤられて。インポスター、タルコフでいうところのスカブで五百万コーエン弱集まりました。でも使うの怖い。でも使ってなんぼなんだけどね

 

よくあるじゃん?このアイテム貴重だから大事に取っとこうってエンディングまで残ってるヤーツ

 

このゲームお金かければかけるほど生存率が上がる。上がってるのかあれ?ゲームだから、やっすい装備でビクビク出撃する私はハード系FPS系の才能ないんだと思う

 

一番輝いてたのが、玉石混合の三人パーティーをQC61レッグメタカスタムで一人づつ対処できた時。物資は美味しくなかった。帰りにインポスター二人組に高台三次元機動されてしゃぶられた。ま装備はコンテナ産三装防弾リグでしたけども・・・・

 

スマホ勢はどう足掻いてもタブレット勢に勝てないから。悲しみ。

 

だってアイツら指五本とか使ってくるんやで?ワイ親指二本だけ!キャラコンもエイム速度もダンチ!人間が阿修羅観音に対峙してるようなもん!殴りかかる暇もなく往復ビンタよ

 

ならチーム組めよって話なんでしょうけど、ワシ友達いないし意思疎通終わってるから自動マッチング切ってソロプレイ

 

それも初期マップの通常農場。でも狭いから接敵率No.1!大概パーティーに見つかると轢き殺される。農場ボスのAjaxにも蹂躙される。一対一でも三割、不意打ちで五分五分・・・・

 

他のステージは広いから索敵難しいし、気付いたら頭狙撃されるし、なら芋虫の如く這ってると物資回収できないし

 

立ち回りとか学んでも親指がついてこないツラタン

 

タルコフをドマゾゲーとはよく言ったものよのぉ・・・・

 

不法投棄

 

毒物学者だけど質問ある?【PART2】 | Tech Support | WIRED.jp

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毒物学者のアン・シャペルがTwitter上での「毒に関する質問」に更に回答する。WIRED JAPAN チャンネル登録はこちら▶︎▶︎ JAPAN: Twitter:

 

「百聞は一見にしかず」の続き

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死霊の館 ~呪われた少女~ / ルスツリゾート遊園地
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【死霊の館〜呪われた少女〜:ルスツリゾート】

【死霊の館〜呪われた少女〜:ルスツリゾート】#お化け屋敷 #ルスツリゾート #怖い
#遊園地 #ルスツ #北海道 【死霊の館〜呪われた少女〜:ルスツリゾート】北海道最大級の遊園地、ルスツリゾートにあるお化け屋敷。

 

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ルスツリゾートの死霊の館に入ったのですが、中に入ってとんでもない事が起こったのです!非常口が開いとった・・・・尚、中の様子も撮影してきたのでどんなもんか知りたい方もどうぞ。

 

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紫系の色一覧

紫系の色一覧:伝統色のいろは
紫系関連の伝統色「59色」の一覧です。詳細な説明と読み方、色見本&カラーコードをご紹介しています。英語版の説明あり。|伝統色のいろは497色の由来。

 

 

「メツギさんは、どうしてお化け屋敷をそんなに恐れているのだろう」
「・・・・ビビッてるわけでも、怖がってるわけでも、恐れてるわけでもありません。子供騙しでくだらないってだけです。いま世界の十人に一人が肥満体型で、この流れは今後ますます悪化していくと小耳に挟んだことがあります。・・・・それが仮に事実だとして、単純計算で十個に一個は肥満型の心霊現象が起こらないと辻褄が合いません。それどころか俺は肥満型の幽霊なんて見たことも聞いたこともない。よってこの類には明らかな作為が存在し、それに加担し踊らされてるって思うと、無性に腹が立つんです」
「なるほど・・・・。では肥満というのは、実は幸せ者なのかもしれないね」
「・・・・と、いいますと?」
「この世に未練が残らないほど、人生を満喫していたということだろう?」
「・・・・冗談ですよね?」
「あいにく、私に幽霊の知り合いは居なくてね」
「・・・・」
「本物か、あるいはニセモノかは問題ではないよ。フィクションと結論付けてなお、どうしてメツギさんはお化け屋敷から距離を取るのだろう」
「それは・・・・デタラメでお金を稼ごうとする根性が気に入らなくて・・・・」
「ではなぜ強い感情で反発するのだろうか。メツギさんは実害らしい実害を被ってはいないのだろう?」
「それは・・・・」

 

さまざまなノイズでかき消されたその影に、聡いメツギさんなら気付けるはずだ。
沈黙。無為な時間。されど動じず。
狼狽えるメツギさんを前にしてなお、頑なに延長戦。
何かを決心したように口を開きかけるも、寸前で止まり思案顔。
通行人の視線が気になりながらも、受け取った情報を必死に噛み砕こうとしている。
そうだ、メツギさん。無意識にこなせてしまうので実感が湧かないかもしれないが、メツギさんは深く思考を巡らせることに長けている。メツギさんには、不思議なことを考えずにはいられない、哲学者の血が流れている。
「・・・・俺がお化け屋敷から遠ざかろうとしてるのは、過剰摂取してるから? ?????」
「続けて」
「・・・・見通しの利かない暗闇や、来ると分かっていても躊躇する音響。いつ動き出してもおかしくないオブジェクトに、強烈なフラッシュや光、耳に届く悲鳴。つまり・・・・俺は他の人より、許容量が。異様に、小さい」
「続けて」
「続けてって、もう結論は出てるじゃないですか!・・・・俺は人より忍耐がなくて、人に影響されやすくて、誰かに騙されやすい。・・・・役満もいいところだ」
「裏を返せば、誰よりも間違いに目が行きやすく、誰よりも人の不幸に心を痛め、誰よりも親身になって寄り添える」

毒物ずかん(冒頭、錬金術師パラケルススが残した記述)
内向型の生き方戦略(社会維持型、境地開拓型の再解釈)

 

メツギさんの手を取って、遊園地の只中を突っ切って行く。
最低限にも程がある口足らず。それなのに、説明してくれとせっつかれることもなく。
むしろ、今にも脱落してしまいそうな弛緩した手の内。
余計な力みを避けるため、折を見て指を絡ませて。
より一層、溶けて無くなってしまいそうな無抵抗に、離すまいと握り直す。
パンフレットを開いた時から、その場所には目星をつけていた。
どこかでタイミングが合いさえすれば、よりメツギさんの傾向を掴めると睨んでいた場所だ。
なおも導き進む先。
ミステリーゾーンに差し掛かれば、途端に急ブレーキがかかる。
「・・・・どこに向かってるんですか?」
「お化け屋敷だ」
「嫌です」
「なら問題ない」
「ちょ、ちょっと待ってください!」
要望通り一旦停止し、振り返る。
いままでにない強い反発。
メツギさんが絡まった指を、まるでガラス細工を扱うように丁寧に解きほぐしながら。俯き気味に、不平不満を口にし始めた。
「話のつながりが見えてきません。どうしていきなりお化け屋敷なんですか」
「メツギさんの苦悩とお化け屋敷には、もしかすると関連があるかもしれない」
「・・・・ますます見えてきません」
論点となるのは『乖離』。メツギさんは思考・行動・言動が不安定なことに、心を疲弊させている。
無論、模範的人間を引き合いに出し、劣っていると断じてしまうのは容易い。
が、この理屈を語るならば、避けては通れぬ道がある。
優れた者が生き残り、劣ったものが滅ぶという理屈は自然淘汰が所出であろう。
他種族との生存競争が繰り広げられる中で、人類もより優れた遺伝子の選別を繰り返してきたはずだ。
だが、ここで疑問が生じる。
なぜ人類は、将来不利となりえる遺伝子の継承を許したのだろうか、と。
この相反する事象は、理論が不完全であることの確たる証拠だ。
両者を紐づけるものが欠如しているのか、そもそも前提として間違えているのかさえ判断つかないというのなら。
論理の再構築が必要になってくる。
万有引力の法則が、水星軌道を説明できないように。また、一般相対性理論がブラックホールの存在を否定してしまうように。
等しく例外なき、時代・宗教・文化・歴史・人種・環境によらない普遍の法則を提示できねば、本当の意味でメツギさんの要望に応えたことにはならない。
私には頼られた以上、最善を尽くす責務がある。
これから取る一連の行動に罪悪感を覚えつつも。メツギさんの手を包み込むように握り、顔を近付け、パーソナルスペースを侵害していく。
「お願いだメツギさん。とても、とても大事なことなんだ。このまま私についてきてほしい」
メツギさんはいきなりの行動に顔を赤くし、逃げ場のない手を戦慄かせ、視線をあちこちに飛ばした。
用意したシナリオを順調になぞっている。
胸を針で刺すような良心の呵責を飲み込み、より一層メツギさんへ顔を近づけた。
「わ、わかりましたから!お化け屋敷でもなんでもいきますから!だから、ちょっと・・・・移動しましょう」
“この先なんですよね?”と確認を取る声にうなづきながら。
数分前の渋りは見る影もない。あまりの効果覿面ぶりを気の毒に思いながら、引く袖に従い、その場を後にした。

 

三アトラクション隔てた先。森の洋館をイメージした建物が鎮座する。
周囲はシックな景観で。ミステリゾーンの世界観を壊さない、怪しげな不気味さを演出していた。
アトラクション最奥から鳴り響く悲鳴に、また一段と温度が下がる。
まだ見ぬ得たいの知れない不快感は、メツギさんの血色を奪うのに十分すぎるようだ。
先ほどから静まり返っているメツギさんに声を掛け、鞄に忍ばせていたものを差し出す。
「・・・・これは、耳栓?」
「そうだ」
「これをつければいいんですか?」
「お願いできるかな?」
「はぁ・・・・」
「どんな感じだい?」
「どうもなにも、聞き取りづらいですよ」
「この状態でお化け屋敷に挑戦してもらいたい」
「はぁ・・・・それじゃあ、行ってきます?」
「いや、私も同行する」
「え?」
困惑するメツギさんの背中を押し、入り口まで引き連れる。
くすみ赤茶けた両扉。山吹の取手を引こうとすれば、横合いから先に腕が伸び。
「俺が先行きます」
「わかった。先頭は譲ろう」
得意気なメツギさんの後尾につき。引扉を受け止め、ゆっくりと内部へ足を踏み入れた。
薄暗い室内。
赤い壁紙。
直線の渡り廊下。
遠い間隔で配置された電灯が、歯痒い薄暗さの原因。
入ってすぐ、額縁の列。
西洋人形を抱いた少女のモノクロ写真。順を追うごとに背が伸び、次第に表情が曇っていき・・・・最後は、顔が黒塗りで隠されていた。
大まかなストーリー性を把握したところで、次のエリアが迫ってくる。
肩越しから覗くのは、真紅のカーテンが垂れた先。濃色の電飾が淡く暗闇を照らす。
目を凝らさなければ見通せない場所。メツギさんは一瞬躊躇したが、後ろを一瞥。意を決したように上体を前傾させ・・・・。
プシュッッッ!!
メツギさんの両肩が跳ねた。
コンプレッサーから圧縮空気を開放したような音が周囲に響き渡る。
小人のような笑い声。
二の矢が来ないか警戒しながら通過する。
血濡れの少女がライトアップ。
揃って足を止めたが、仕掛けがそれだけだとわかると前進。
遠くで雷が。設置された異形の人形を浮かび上がらせたが、構わず。
海洋類の骨格標本。磔にされた野鼠。ウジの湧いた鴨。
「ウギャ──────!!」「ファッ!?」
耳鳴りを起こしそうになる甲高い悲鳴。
前から短い喫驚が届いた。
ワンテンポ遅れで進み出す。

「メツギさんは、どうしてお化け屋敷をそんなに忌避するのだろう」
「・・・・ビビッてるわけでも、怖がってるわけでも、恐れてるわけじゃないんです」
「それなら、どうして引く手を拒むのか」
「それ、は──────」
言い淀むメツギさん。
追い詰めるような言動を内心謝罪しつつ、周囲から順番に切り崩していく。
「──────確か、いま世界の十人に一人は肥満体型で、この流れは今後ますます悪化していく・・・・と小耳に挟んだことがあります。それが仮に真実だとして・・・・単純計算で、十回に一回は肥満型の心霊現象が発生しないと辻褄が合いません。それどころか、俺は肥満型の幽霊なんて見たことも聞いたこともない。よって、この類には明らかな作為が存在します。・・・・幽霊がいかに子供騙しで下らないかってことの証明です」
「なるほど・・・・。では肥満というのは、実は幸せ者なのかもしれないね」
「・・・・と、いいますと?」
「この世に未練が残らないほど、人生を満喫していたということだろう?」
「・・・・冗談ですよね?」
「あいにく、私に幽霊の知り合いは居なくてね」
「・・・・」
「本物か、あるいはニセモノかの議論は傍に置こう。私が知りたいのは、フィクションと断じてなお、どうしてお化け屋敷を拒むのかだ」
「・・・・分かりません」

「話の前後が繋がりません。どうしていきなりお化け屋敷にいかなきゃならないんですか」
「」
「」
「・・・・その補助って、外しても大筋に影響はないんですよね?」
「相互の視点を統一するためにも、お化け屋敷へ行くことが望ましい」
「他所で代替することってできませんか」
「・・・・絶叫マシン「嫌です」・・・・」
これだけ回避に専念されれば、その意思を汲み身を引くのがいつもの私。だが今回ばかりは状況が異なる。
自覚症状のない不協和。
提灯に釣鐘のような、食い違う両者の認識。
反発が強まれば強まるだけ、その断層は大地を揺らし隆起する。
条件は出揃ったと一歩目を踏み出す。
強力な感情の出所。最奥、中核、その根源へと。
「今から話す内容は、どうか話半分に聞いてほしい。・・・・念を押そう、いいね?」
「え、あ、はい・・・・」
「・・・・”あるものが有毒かどうかは、服薬量によって決まる”という言葉がある。嗜好品のアルコール・タール・ニコチンはもちろん。生命維持に不可欠な水や酸素でさえ、急激に体内へ取り込まれれば中毒症状を引き起こし、最悪の場合死に至る。逆に医療用モルヒネが依存症患者を生み出さないのは、専門家の指導のもと、適切な運用がなされるからだ。これを拡大解釈していく。より多く、より高く、より厚くを推奨する友情・お金・愛ですら、用法用量を誤れば猛毒になると言える」
「・・・・俺が前進できないのは、ナニカのバランスを崩しているから?」
「その認識で相違ない。私の見立てが正しければ、の話だがね。しかし外的要因だけでは、メツギさんのいま置かれている現状を説明するのに不十分だ」
「・・・・まだなにか、あるんですか?」
「出会った時から、ずっと気になっていたことがあった。メツギさんは、”他人は自分を映す鏡”という言葉をどう思う?」
「・・・・自分の態度・行動・言動が、自身に返ってくるというやつでしたっけ?突然、どう?と尋ねられても・・・・別におかしいところはないと思いますけど」
「例えば、通り魔のようにターゲットが無作為な場合。例えば、些細なことからトラブルに発展した場合。例えば、大事な約束を反故にされてしまった場合。これらが映しているものは、果たして自分自身と言えるだろうか」
「・・・・」
「例外を除くと末尾に添えれば、無法無点の長物だ。・・・・だがね、メツギさん。”他人が自分を映す鏡”ならば、逆に”自分もまた他人を映す鏡”が成立しうる。ドウゾノさんを傷つけたくない、家族を大切にしたい、クラスメイトに合わせたい。自分が自分でないように感じたり、自らを軽んじてしまったり。望みが薄いのも、周りの目が気になってしまうのも、それで焦りを覚えてしまうのも。自分のことを後手に回し、誰かに影響されやすく、振り回されている自覚があるのも。・・・・メツギさんが、純真無垢な鏡だからではないだろうか」
メツギさんは驚いて目を見開いた後、しばらくして園内を見渡した。道行く人々を眺めながら、私の発言の真偽を見極めようとしているようだ。
もう一度乗りたいとせがむ子供。スイーツ片手にお喋りする若い子達。マスコットにはしゃぐカップル。二人の記念を写真に残す夫婦。遊戯施設そっちのけで談笑に興じるお年寄り。緩慢に流れていく時間。どの場面を切り取っても、そこには笑顔が写り込む。
気付けば柔らかい笑みを浮かべていたメツギさんは、ゆっくりとこちらに向き直る。
「ツキノキさんの言葉の裏には、もっとたくさんの世界が広がっていて。そのカケラも想像つかない俺には、当たり外れの判断を下すには未熟すぎます。俺が他人と決定的に違うっていうのは、多分その通りなんだと思います。けど・・・・普通の生活への憧れを捨てきれない、往生際の悪い自分がいるんです。・・・・それが、仮にもし、本当だとして。いまからでも、みんなと同じ普通の鏡に成ることって・・・・出来ないんでしょうか?」
「その答えは・・・・身に染みているのではないかな?」
「・・・・」
上手くいかなかったのではなく、そもそも成功するはずがなかった。例えそう励まされても、それで本人が納得するかはまた別問題。それでも私は、メツギさんに虚言は吐きたくない。バックから用意していたものを取り出す。
「気休めにしかならないかもしれないが」
「・・・・何ですか、それ」
差し出したのは新品のアイマスクと耳栓。しばしの時を置き、意図を察したメツギさんに、呆れた笑みを浮かべられてしまった。
・・・・どこか可笑しな点があったのだろうか。独りよがりを避けるためにも、盲点の窓は把握しておきたい。
「メツギさん?」
「あ、いいえ、その・・・・もしかしてそれつけてお化け屋敷に入るつもりだったんですか?」
「?そのつもりだが?」
「いや、まるっきり変質者ですよ。というか、目の見えない状態でどうやって出口を目指すんですか」
「私が責任を持って水先案内する」
「・・・・ツキノキさんはそれでいいんですか?」
「?何か問題でも?」
《xsmall》《small》「・・・・はぁ、そういえばこういう人だったな」《/small》《/xsmall》
ため息一つに、体が硬直。中腰になって、項垂れて、何かを唱えるその仕草。
もしや、メツギさんの機嫌を損ねてしまったのかと脳裏が吹雪く。
流れる冷や汗。目線を左へ。用意していた対策パターンから、最適なものはないかと海馬を探る。
不意に動いたメツギさんにビクリと震え。現れたのは、赤みを帯びた顔と引き締まった眉宇だった。
「ツキノキさんが体を張ってくれているのに、いつまでもウジウジしてられないですよね。・・・・覚悟は決まりました。お願いします」
凛々しい顔立ちに小さく頷く。
ここから直線、三アトラクション先にお化け屋敷はある。
周囲はシックな景観で。ミステリゾーンに配置された、不気味なアトラクションの不気味さを際立たせていた。
何処からか微かに聞こえてくる悲鳴が、これから起こる恐怖を想起させる。
それがフィクションによって生み出されたものであるとどれだけ頭に刷り込もうと、まだ見ぬ得たいの知れない不快感は、背筋に冷たいものを走らせるのには十分すぎた。
建物に着いて、また一段と温度が下がる。
メツギさんは、場の空気にすっかり支配されてしまったようで、顔を俯かせて立ち尽くしていた。
血の気が引いていく感覚。
ここまで手の込んだものだったとは・・・・想定外だ。
いや、いや。本来であれば、このようなイレギュラーには手を回しているはずなのだ。
最後に遊園地に連れられたのは遠い昔。
軽はずみな計画。突然の参戦。久しぶりの遊園地への浮かれと慢心。
・・・・勇み足が過ぎた。
メツギさんが覚悟を決めてくれた手前、説得していた私がここで前言撤回するようでは、投げ遣りにも程がある。
幸い、私物の耳栓を。
この規模の建造物なら、滞在時間は十分とない・・・・はずだ。
「ほ、本当にいくんですね?」
「私はメツギさんに頼られた以上、最善を尽くす責務がある。・・・・投げやりな仕事はしたくない」
「・・・・アイマスクまでつける必要あるんでしょうか」
「人間が処理する情報の大部分が視覚情報だ。より効果を実感できる」
「むしろ、恐怖を煽り立ててしまう気が」
「・・・・否定はしない」
「えぇ・・・・」
ふふ・・・・恐らく私は、蒼白い顔をして戦慄いている。

「本当に困り果てた人間は、”困ってる”だなんて主張する余裕もないからね」
「・・・・え?それって」
「ふふふ」

 

委細承知

過ぎたるはなお及ばざる如し

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